文部科学省「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験」

平成23年度より東京都小平市・沖縄県沖縄市・青森県横浜町・福島県いわき市・長野県ほか各地域の教育委員会との連携協力を行い、演劇の手法を活用し、児童生徒のコミュニケーション能力育成のための参加体験型授業(ワークショップ)を連携地域の小中学校・高等学校で継続的に実施している。実施校の児童生徒達は、本事業での体験を通して、自分と他者との違いを改めて認識し、その違いを受け入れ、お互いの考えや意見をすり合わせていく作業を繰り返し経験している。実施後のふりかえりでは、日頃の学校生活や人間関係においても、以前はあまり関わり合うことがなかった児童生徒の間で、会話が増えるなどコミュニケーションの活性化を促し、さらに学級運営や学習面でも新しい気付きや変化を確認することができた。

平成25年度からは福島県教育委員会とも連携協力し、継続校の県立いわき総合高校に加えて、会津美里町の県立大沼高校でも事業を開始。東日本大震災から5年を経て、さらに複雑で困難な状況が続く県内において、高校生の自立支援や困難状況に立ち向かっているコミュニケーション能力を向上させるための一助となるワークショップ・プログラムを実施している。教職員対象のワークショップ研修も継続して行なっており、プログラムの意図やファシリテーションのポイント等についての理解を深め、平成29年度実施に向けての準備態勢を双方で整えている。

平成27年度からは東京都教育委員会とも連携協力し特別支援校含む都立校3校で事業を開始、28年度は4校で実施。都立日野台高校1年生の国語単元(評論文)でのアクティブ・ラーニング型授業や、葛飾特別支援校高校2年生対象の自立支援コミュニケーション・ワークショップなど、多才なプログラムを行ない、担当教員とも連携して内容の充実と向上を目的としたディスカッションや公開授業も行っている。

・福島県 福島県立いわき総合高等学校(1学年)
  福島県立大沼高等学校(2学年)
  いわき市立四倉小学校(2・3学年)
・東京都 都立日野台高等学校(1学年)
  都立府中高等学校(2学年)
  都立葛飾特別支援学校(高校2学年)
  小平市立小平第一中学校(3学年)
  小平市立小平第二中学校(特別支援学級)
  小平市立小平第十四小学校(6学年)
  小平市立学園東小学校(6学年)
・埼玉県 所沢市立牛沼小学校(4学年)
  所沢市立北秋津小学校(3学年)
  所沢市立小手指小学校(3学年)
  所沢市立松井小学校(3学年)

豊岡市小中一貫教育「豊岡こうのとりプラン」

ローカル&グローバル学習の時間 コミュニケーション教育

国際的な観光地でもある城崎温泉を擁する兵庫県豊岡市では、平成29年度より演劇的手法を活用した「コミュニケーション教育」を市内全小中学校で導入する計画を進めている。27年度からは、そのための準備やモデル授業を実施しており、27〜28年度にわたって教育委員会とPAVLICの協働による市内5校でのコミュニケーション・ワークショップを実施した。その実績と内容が認められ、29年度に実施予定のワークショップ・プログラム選定のためのワーキング・グループにもPAVLIC講師が参画し、市教委担当者・実施校の学校長らと協議・計画を進めている。

・兵庫県 豊岡市立城崎小学校(6学年)
  豊岡市立弘道小学校(6学年)
  豊岡市立豊岡小学校(6学年)
  豊岡市立三方小学校(6学年)
  豊岡市立城崎中学校(1学年)

都立校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業

東京都教育庁生涯学習課地域教育支援部が都内NPOなどの実施団体と連携して行なっている本事業の実施団体として、平成27年度より参画し、初年度は高島高校にて「防災コミュニケーション」、府中高校でコミュニケーション・ワークショップを行ない、28年度は「人間と社会」単元や道徳授業と連動したプログラムを実施している。

・東京都立 武蔵高等学校附属中学校(1学年)
  飛鳥高等学校(2学年)
  足立新田高等学校(3学年選択授業)
  日野台高等学校(2学年)
  府中高等学校(1学年)

●研修プログラム開発 博報堂生活者アカデミー+博報堂大学

株式会社博報堂を母体とした教育機関「博報堂生活者アカデミー」より社会人対象の研修プログラム開発の委託を受け、アカデミーとPAVLIC講師・コーディネーターが協働して、演劇の手法を用いたワークショップ・プログラム『IDEActing』を平成28年度に立ち上げる。実施ファシリテーターの養成も含むプログラム開発を行なう過程で、同社内教育機関の「博報堂大学」とも協働し、社内およびグループ会社員対象のワークショップセッションも複数回行なった。平成29年度も継続予定。

●人材育成協力 青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム

平成27年度より青山学院大学の社会人講座『ワークショップデザイナー育成プログラム』の「研修」講師を担当している。受講者たちが観察している前で、児童生徒たちを対象としたコミュニケーション向上のためのワークショップを実施し、その観察内容に基づき、ワークショップのファシリテーションについてグループディスカッションを行なう。講師が実際にワークショップの中でどのようにファシリテーションを行なったか(児童生徒たちを観察しどのように解釈しどのように判断しどのように行動したか)を解説するという内容で、全3クラス対象に実施している。

●人材育成協力 東京芸術劇場エデュケーション企画  演劇ワークショップ・ファシリテーター養成講座

東京芸術劇場事業課(人材育成担当)より、一般参加者を対象としたファシリテーター養成講座の企画・実施の委託を受け、PAVLIC所属講師3名とコーディネーターが劇場側の教育普及担当者とも協働して、平成28年度の2〜3月にかけて7回にわたる講座を実施。うち2回の講座では、教育現場(都内学校にて中高生対象)と福祉の現場(老人ホームの利用者対象)での実習を行い、より現場体験を重視したプログラム作りと、そのファシリテーションを行なった。